厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(用語解説)が12月22日、医療従事者の多様な働き方の実現や偏在対策の方向性を盛り込んだ「中間的な議論の整理」を公表した。
医師等の需給と偏在対策については、偏在の解消なしに地域・診療科の医師不足は解消しないとの認識を明示。地域医療構想を踏まえ、都道府県等の自治体が医師・看護師等の需給や偏在対策の決定主体となることを提言している。その上で、医師養成や医療資源配分を大学医局に依存しないよう、社会医学やマネジメント能力に長けた人材の育成などを求めている。
看取りニーズの増大など、多様化する地域の医療・介護需要については、プライマリケアの充実を対応の柱に据え、専門診療科による役割分担ではなく、コメディカルの業務範囲拡大などを進めるべきとした。
現在、全国10万人の医師を対象にした勤務実態調査が進められており、2月にも結果が報告される予定となっているため、同検討会は調査結果に加え、現場の医師、職能団体、医療行政担当者などからヒアリングを行い、今年度内に最終取りまとめを行う方針。
会合終了後に会見した渋谷健司座長は、「これまでの議論で偏在対策の提案はかなり出てきたが、それらが現場との整合性はあるのか、(偏在解消を阻む)本当の障壁は何なのかを見極め、具体的な内容に収斂させたい」と述べた。