英語やタガログ語を駆使し、医療費が払えない外国人も献身的に診療していることが高く評価され、昨年第5回日本医師会赤ひげ大賞に輝いた。
患者が安心する診療を第一に考え、スタッフは全員英語対応が可能で、薬は主に院内処方。「病気の時に母国語で症状を伝えられるだけでも違いますよね」。明石さんの評判は口コミで広まり、来院したことのない人からも処方薬や検査結果などについて相談のメールが届く。「費用はもらえませんが、日本で多少いい経験をして帰ってほしい。何かしら貢献できるならそれでもいいかな」
ブラフクリニックのルーツは、1863年に横浜の外国人居留区に開設された診療所まで遡る。現在でも患者の半数は外国人だという。明石さんが赴任した87年頃は欧米人が中心だったが、今は多くがアジア人。中東系の人が増えた時もあった。「中東女性の診察には夫が付いてきて、夫を通して患者さんと会話します。信頼されてやっと直接話せるようになる。文化の違いで大変なこともありますが、僕は人種を越えて信頼関係を築きやすいところがあるみたいです」
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