厚生労働省の橋本泰宏審議官(健康、生活衛生担当)は19日、薬剤耐性対策として、医師向けの「抗微生物薬の適正使用の手引き」を、今年3月をメドに作成する方針を明らかにした。
政府は昨年、薬剤耐性対策に関する5カ年計画として「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」(用語解説)を作成。この中に、医療機関における抗微生物薬の適正使用の推進も盛り込まれていた。
橋本審議官は同日、自治体職員を対象に省内で開いた全国厚生労働関係部局長会議の中で、「日本の医療機関は外来において、細菌性か否かの判断が難しい、患者が(処方を)求めるなどのさまざまな理由により、細菌が原因ではない場合でも、抗菌薬を使用する事例がみられる」と問題視。
その上で、厚労省の「抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会」(座長=大曲貴夫国立国際医療研究センター病院国際感染症センター長)が「抗微生物薬の適正使用の手引き」を年度末をメドに作成していることを紹介し、「完成した際には、各自治体のすべての医療機関に配布していただき、広く活用するよう周知していただきたい」と要請した。