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「キイトルーダ」の最適使用推進GL案を概ね了承 【中医協】

登録日: 2017-01-26

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厚生労働省は25日、中央社会保険医療協議会総会(田辺国昭会長)にがん免疫療法薬「キイトルーダ」(一般名ペムブロリズマブ)の非小細胞肺がんに関する最適使用推進ガイドライン案を示し、概ね了承を得た。ガイドラインは2月に予定される薬価収載時に策定、留意事項通知とともに発出される。

最適使用推進ガイドラインは薬価制度の抜本改革の一環として、高額かつ新規作用機序を持つ医薬品とその類薬を対象に、最適使用を推進する目的で策定される。現行ではがん免疫療法薬「オプジーボ」と高脂血症治療薬「レパーサ」の類薬が対象とされ、キイトルーダはPD-1とそのリガンドであるPD-L1、PD-L2の結合を阻害するオプジーボと同じ作用機序を持つ。なお、オプジーボの非小細胞肺がんに関するガイドライン案は昨年12月14日の中医協で了承されている。

■キイトルーダはファーストラインから投与可能

キイトルーダのガイドライン案の特徴は、「オプジーボ」と異なり化学療法歴がない患者への投与を可能としている点。臨床試験でプラチナ製剤を含む化学療法と比較して無増悪期間、全生存期間ともに有意に延長したことが明らかとなっていることを踏まえ、①化学療法歴のないEGFR 遺伝子変異陰性、ALK 融合遺伝子陰性及び PD-L1 陽性(TPS≧50%)の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん患者、②プラチナ製剤を含む化学療法歴を有する PD-L1 陽性(TPS≧1%)の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん患者(なお、EGFR 遺伝子変異陽性またはALK 融合 遺伝子陽性の患者では、それぞれ EGFR チロシンキナーゼ阻害剤またはALK チロシンキナーゼ阻害剤の治療歴を有する患者)―のいずれかに該当する患者が対象とされた。また、キイトルーダの投与には化学療法歴の有無にかかわらず当該患者がPD-L1陽性であることが必須のため、TPSについて同薬のコンパニオン診断薬(PD-L1 IHC 22C3 pharmDx 「ダコ」)を用いて測定する必要性も盛り込まれた。

実施施設と治験責任者となる医師についてはオプジーボと同じ要件が定められた。施設はがん診療連携拠点病院や都道府県がん診療拠点病院、特定機能病院、外来化学療法加算1もしくは2の算定施設などに限定。医師には、①5年以上のがん治療の臨床研修、うち2年以上はがん薬物療法を主とした臨床腫瘍学の研修、②4年以上の臨床経験、うち3年以上は呼吸器病学の臨床研修─のいずれかを満たすことを求めている。

オプジーボとキイトルーダの最適使用推進ガイドラインは関係学会との調整を経て、ともに2月に策定される予定。

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