中央社会保険医療協議会総会(田辺国昭会長)は1月25日、2018年度診療報酬改定に向け、入院医療を巡る議論を開始した。会合では厚生労働省が入院医療を取り巻く現状について説明。①65歳以上の入院患者割合が高く増加傾向、②入院患者数や平均在院日数は減少傾向だが1日当たり入院医療費は増加傾向、③7対1届出病床数と算定回数は減少傾向だが機能別では高度急性期・急性期が全体の60%超─などが明らかとなった。
こうした状況を踏まえ、保険局の迫井正深医療課長は、効率性と質を両立した上で地域の医療ニーズに対応できるような提供体制を構築するため、「診療報酬でどう支えていくかについて議論いただきたい」と方向性を提示。診療側・支払側委員はともに了承した。
入院医療を巡っては、前回16年度改定に続き7対1病床の適正化が最大の争点となる。一方、都道府県では2025年の医療需要と機能別の病床必要量を推計し、目指すべき医療提供体制を実現するための施策を盛り込む「地域医療構想」の策定が進む。多くの地域で急性期が余り、回復期が不足するという推計となることが確実で、機能分化に向け診療報酬と地域医療構想の関係性が次期改定の入院医療を巡る議論のポイントとなる。
両者の関係性を巡り、中川俊男委員(日本医師会、写真奥から2人目)は「(地域医療構想の実現に向け)診療報酬で誘導するつもりなのか」と質問。これに対し迫井課長は、「地域医療構想に診療報酬がどう寄り添うのかはまさに今後議論してもらう課題そのもの」と回答した。