昨年11月、日本医師会「赤ひげ大賞」を受賞した。都市部のかかりつけ医として、外来に加え、往診や看取りに取り組む一方、ICT連携の仕組みを構築するなど地域医療への貢献が評価された。
父から1996年に継承した診療所が位置するのは、JR京都駅から1駅の所にある京都市南区。二次医療圏の10万人当たり医療機関数が全国で2番目に多い地域だ。地域柄、多くの患者が複数の医療機関にかかっていたことから、大森さんが旗振り役となり、地区医師会で必要な医療情報を共有できる連携カードシステムを2007年に立ち上げた。
「このシステムの特徴は忙しい外来で医師が瞬時に判断できる点にあります。電子カルテでは情報が多すぎるので、採血結果と薬剤名、重要疾患病名、アレルギー情報といった必要な情報に絞り、一元化しました」。重複検査や投薬の削減効果がある上に、時間の節約にもつながり、「患者さんとしっかり向き合う、本来の診療に充てる時間が確保できるようになりました」と語る。
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