日本健康倶楽部が10日に開催したセミナーで、山本隆一氏(医療情報システム開発センター、写真)が、セルフメディケーション税制の対象となるスイッチOTC医薬品の購入について、記録が残る仕組みを考えるべきだと訴えた。
セルフメディケーション税制は、健康の維持増進や疾病予防として健診や予防接種などを行う個人が、スイッチOTC医薬品の購入費用の所得控除を受けられるというもの。山本氏は「これまで医師が処方していた薬であるにもかかわらず、お薬手帳やレセプトには載らない」と指摘。「長い間胃潰瘍の薬を飲んでいても、データ上では何も飲んでいないように見えてしまう」と懸念を示した。一般用医薬品の購入者が患者とは限らないという問題点も挙げ、「早めに手を打った方がよい」と強調した。
山本氏はさらに「まったくの私見」として、セルフメディケーション税制には「反対」と断言。「風邪と診断するのも能力が必要。一般の人に押しつけるべきではない。診察を受けた上で、高所得の人には処方しないという方が良いのではないか」と訴えた。