厚生労働省の元医系技官であり、国や自治体のアドバイザーとして活躍する宮田さんは昨年11月、東京・代々木にクリニックを開業した。近隣で長年かかりつけ医として地域を守ってきた開業医の夫妻が亡くなり、長女から「地域医療を継続できないか」と相談を受けたことがきっかけだ。
「政策を企画・立案する立場からすると、地域医療構想がなかなか実行されていないことに少し歯がゆい思いがありました。かかりつけ医は地域のゲートオープナーにならないといけない。地域医療を引き継ぎ、その役割を自ら実行する中で新しい課題が見つかるはずなので、医療政策にフィードバックさせていきたいと思います」
がん、認知症を含めた精神疾患、子どもの難病の3つをクリニックの柱に据える方針だ。クリニックには既に、がんに関して相談したいという患者・家族が多く訪れている。精神疾患については、服薬管理を徹底するため訪問看護を活用。疾患のコントロールが良好になり、介護スタッフの負担軽減にもつながった。かかりつけ医の役割として、難病を抱える子どもの家族に対する支援にも取り組んでいきたいと考えている。
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