厚生労働省の「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」が20日に開かれ、人工知能(AI)を活用して診断や治療方針を確定した場合の最終的な意思決定は医師が行うとした、AIと医師との関係性の整理案を提示した。
厚労省は、現状ではAIが単独で診断や治療方針を確定することができないことや、AIの推測結果には誤りがありうることなどを踏まえ、「最終的な意思決定は医師が行い、責任を負うべき」とする方向性を明示。医師に対してAIについての適切な教育を行い、安全性を確保していく必要性を指摘した。
このほか、同懇談会では参考人の杉山将氏(理化学研究所革新知能統合研究センター)が、機械学習の国際会議であるNIPS2016で、日本の論文占有率は1.9%に過ぎないことを発表。機械学習、画像処理、自然言語処理など広い意味でのAIについて、「国際的に日本の存在感は薄い」と指摘した。その上で、企業のエンジニア活用の推進や数学的知識を持つ人材育成の必要性を訴えた。
同懇談会では、「AIの活用領域の特定」「開発基盤等の推進方策」「質・安全性確保策」などについて検討。3月中をメドに報告書を取りまとめ、データヘルス改革推進本部に報告する予定。