一部週刊誌を中心に昨年から展開されている医療特集は、薬や手術に懐疑的な論調の“医療否定”キャンペーンとでも呼ぶべき内容だ。各週刊誌の発行部数は50万部前後だが、その数十倍の人々が目にする新聞広告や電車の中吊り広告で、毎週のように具体的な薬剤名や手術名が表記されており、これまでの医療否定情報に比べ影響力が強い。
批判の急先鋒と目される「週刊現代」(講談社)は、医療特集を昨年6月から3カ月以上にわたり大々的に展開。7~9月の印刷証明部数は対前年同期比1万3000部増となった。雑誌不況が深刻な出版界において、数字の読める貴重なテーマとして、もはや定番企画となった感すらある。
信頼性が低い情報として取り合わないのも1つの手だが、現在の患者は週刊誌に限らず、テレビやインターネットを含め情報収集に熱心だ。適切な治療を受けていても、自ら得た情報から治療に不信感を抱き、改善や治癒する可能性を失う恐れがある。こうした事態を避けるべく、まずはどのような情報が発信されているのか、現在大きな影響を及ぼしている週刊現代の特集を中心に、概略を紹介したい。
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