インフルエンザの流行しない年はなく,2013年には鳥インフルエンザA(H7N9)が出現したが,日本には伝播しなかった。2013~14年シーズンではA香港型が流行するとともに,A(H1N1)pdm09が再び,しかし若年者ではなく中高年層に流行を起こした。しかも,シーズン当初に一時,オセルタミビル耐性ウイルスが報告されたが,その後,ほぼ消失している。毎年のように新しい話題が飛び出し,多くの情報があふれるインフルエンザ診療の中で,核心となる情報は何であるのか?本特集では,臨床医が最も知りたいであろう情報を5名の執筆者に解説して頂いた。
1 迅速診断検査で陰性のときはどう判断するのか?
佐賀大学医学部国際医療学講座・臨床感染症学分野教授/同附属病院感染制御部部長 青木洋介
2 抗インフルエンザ薬の使い方─抗菌薬併用の適応を含めて
仙台赤十字病院呼吸器内科部長 三木 誠
3 オセルタミビル耐性ウイルスは今,どうなっているのか?
日本臨床内科医会インフルエンザ研究班/久留米臨床薬理クリニック顧問 池松秀之
4 インフルエンザワクチンの有効性と将来展望
防衛医科大学校病院感染症・呼吸器内科診療科長 川名明彦
5 新型インフルエンザは本当に来るのか?
東北大学加齢医学研究所抗感染症薬開発寄附研究部門教授 渡辺 彰