著者は心理学博士、教育学博士、社会学博士であり、心学研究家、コンセプター、デザイナー、歌手、作詞家(星 間)と多才。本書は「未来の智恵シリーズ」第9弾(小林正観著、弘園社、2003年刊)
この本を手にしたのはもう20年くらい前のことです。日々人は生まれ死ぬわけですが、この不可避の難題に対して自分なりに納得ができるようなヒントはないものかと、気楽にこの本を読んだ記憶があります。4年前に自治医科大学を辞め、現在の病院で多くの問題を有する患者と接する中で、この本をもう一度読みたいという考えが過りました。家内も読んで大いに啓発され、こんな考え方があるんだ、といたく感激していました。
医師の仕事は人の生き、死、に遭遇する機会の多い職業ですが、最近は命をあまりにも医学的観点から論じることが多いような気がします。つまり、唯物学的視点からのアプローチが多いことに驚かされます。「再生医学、ことにiPS細胞を活用して種々の難病を治療していこう、がんも10年もすれば転移巣も含めて完治できるようになるかもしれない、脳梗塞や心筋梗塞も血栓を溶解して治療しよう、認知症のターゲットになる物質もわかりつつあるようだ」
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