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C型肝炎患者におけるHBV再活性化【DAA治療施行前のHBs抗原チェックおよび,陽性時はHBV再活性化の有無に注意】

No.4852 (2017年04月22日発行) P.52

田中 篤 (帝京大学内科教授)

滝川 一 (帝京大学内科主任教授)

登録日: 2017-04-18

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B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus:HBV)キャリアあるいは既往感染者におけるHBV再活性化の問題はよく知られるようになったが,最近,HB VとHCV共感染例において,HCVに対するIFNフリー直接抗ウイルス薬(direct-acting antivirals:DAA)治療に伴い,治療開始後HCV-RNA量が低下する一方で,HBV再活性化および肝炎が生じうることが報告された1)。HBV再活性化による死亡例もみられており2),添付文書改訂および注意喚起がなされた。B型肝炎を合併したC型肝炎の場合,ウイルス相互の干渉作用のため,増殖の盛んなウイルスはどちらか一方だけであることが一般的である。この状態において強力なDAAによりH CVを排除すると,HBV増殖を抑制していたHCVによる干渉作用が消失するため,HBVの再増殖が起こるものと考えられる。

HCVに対する抗ウイルス治療の施行前にはまずHBs抗原をチェックし,陽性であった場合には,HBV共感染として抗HCV治療前および治療中に,HBV-DNA量などHBVマーカーをモニタリングし,HBV-DNA量の上昇がみられた場合には核酸アナログを投与する。HBs抗原が陰性の場合にもHBs抗体とHBc抗体とを欠かさず確認し,いずれかないし両方陽性の場合には既往感染例と考え,治療中にはHBV再活性化の有無に注意すべきである。

【文献】

1) Takayama H, et al:Hepatol Res. 2016;46(5): 489-91.

2) ブリストル・マイヤーズ スクイブ:ダクルインザ錠60mg, スンベプラカプセル100mg 適正使用のお願い. 2016.

[https://www.pmda.go.jp/files/000211818.pdf]

【解説】

田中 篤*1,滝川 一*2 *1帝京大学内科教授 *2同主任教授

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