てんかんは有病率が約1%で,国内患者数は約100万人のcommon diseaseである。誰もが知っている疾患名だが,その治療については誤解が少なくない。しかも最近,てんかん診療は大きな変革期を迎えている。長時間ビデオ脳波モニタリング検査の普及,長期服用による副作用が少ない新薬の登場,精神科的あるいは心理社会的アプローチの重要性など,10年前の常識は通用しない時代である。抗てんかん薬を処方するすべての医師に,本特集をお届けしたい。「てんかんだから仕方がない」と悩む患者を,「てんかんでも大丈夫」に変えるためのエッセンスを,3人の著者がコンパクトに伝えてくれている。
1 長時間ビデオ脳波モニタリング検査
東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野准教授 神 一敬
2 新規抗てんかん薬は何を変えるのか
国際医療福祉大学福岡保健医療学部医学検査学科教授/福岡山王病院脳・神経機能センター神経内科 赤松直樹<
3 心因性非てんかん性発作(PNES)との戦い
東京大学医学部附属病院精神神経科 谷口 豪