株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

【私の一皿】<特別編>『低糖質イチゴタルト(オーボンヴュータン)』

No.4855 (2017年05月13日発行) P.73

山田 悟 (北里大学北里研究所病院糖尿病センター センター長)

登録日: 2017-05-13

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 学校法人北里研究所が発行する広報誌「雷(いかずち)」No.9(2012年1月発行)の「未来のトビラ」欄で、河田シェフと私が取り上げられたときに掲載された低糖質イチゴタルト

    孤独な糖尿病治療に 光明が見出される一皿

    「菓子屋冥利に尽きます」
    世田谷区尾山台のケーキショップ「オーボンヴュータン」河田勝彦シェフの言葉である。

    2011年春、嗜好品を禁止する従来の糖尿病食事療法に疑問を抱いた私は、妻が大ファンだったオーボンヴュータンに電話をかけた。「糖尿病患者向けのケーキを開発して下さい。河田シェフのケーキで糖尿病患者が救われます」とお伝えしたのだ。

    小麦ふすま、低糖質甘味料など、素材の話も熱心に聞いて下さった河田シェフは、その後数カ月で、低糖質イチゴタルト、低糖質チョコケーキ、低糖質チョコムースをつくって下さった。その折、タルト生地には小麦粉でなく大豆粉を使っておられた。私が知らなかった素材である。2011年夏、当院患者会に試作品をご提供いただき、11人の糖尿病患者で食べた。その結果、摂食前後で平均血糖値は0.6mg/dLしか変化しなかった(181.1±24.0→181.7±25.4mg/dL)。

    残り336文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top