学校法人北里研究所が発行する広報誌「雷(いかずち)」No.9(2012年1月発行)の「未来のトビラ」欄で、河田シェフと私が取り上げられたときに掲載された低糖質イチゴタルト
「菓子屋冥利に尽きます」
世田谷区尾山台のケーキショップ「オーボンヴュータン」河田勝彦シェフの言葉である。
2011年春、嗜好品を禁止する従来の糖尿病食事療法に疑問を抱いた私は、妻が大ファンだったオーボンヴュータンに電話をかけた。「糖尿病患者向けのケーキを開発して下さい。河田シェフのケーキで糖尿病患者が救われます」とお伝えしたのだ。
小麦ふすま、低糖質甘味料など、素材の話も熱心に聞いて下さった河田シェフは、その後数カ月で、低糖質イチゴタルト、低糖質チョコケーキ、低糖質チョコムースをつくって下さった。その折、タルト生地には小麦粉でなく大豆粉を使っておられた。私が知らなかった素材である。2011年夏、当院患者会に試作品をご提供いただき、11人の糖尿病患者で食べた。その結果、摂食前後で平均血糖値は0.6mg/dLしか変化しなかった(181.1±24.0→181.7±25.4mg/dL)。
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