日本医師会は10日、質の高い医療提供体制の維持と医師自身の健康確保が両立する制度を検討するため、会内に「医師の働き方検討委員会(プロジェクト)」を設置すると発表した。委員の任期は来年6月23日まで。
会見で松本吉郎常任理事は、議論の論点として「今できる改革と将来の改革の2つを考えている」と説明。すぐに実行可能な改革の1つとして、現在、全都道府県に設置されている「医療勤務環境改善支援センター」の活用を挙げ、「全てのセンターに社会保険労務士が常駐して医療機関の労務管理のアドバイスを無料で行っているので、改めてセンターの活性化を促したい」とした。
将来の改革については、「例えば、応招義務がある医師の時間外労働規制はどのような方法が考えられるか、診療科間の差、地域間の差など一律に考えることができるか」などを論点として列挙。その上で、「質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方が実現する方策について、地域医療に混乱を来さず円滑に仕組みを導入する方法を考えたい」との方針を示した。
なお、医師の働き方に関しては、四病院団体協議会も4月に「病院医師の働き方検討委員会」の設置を決めている。