団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え、病床の機能分化・連携を進めるための「地域医療構想」の策定がこのほど、全ての都道府県で完了した。
同構想には、対象区域となる「構想区域」(原則2次医療圏と一致)ごとに、2025年の医療需要の予測に基づき4つの医療機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)の「病床の必要量」が記載されている。
今後、病床数は全国的にみてどう変わっていくのか。10日に開催された「地域医療構想に関するワーキンググループ」(WG)で、厚生労働省が示した資料を基に概観してみたい。
まずは「現状」を知るため、病床機能報告の病床数を見てみよう。病床機能報告とは、一般病床・療養病床を持つ病院・有床診療所に対し、各病棟の機能と、6年後に持たせたい機能を報告させる制度。各構想区域では今後、ステークホルダーが集まる「調整会議」で病床機能報告と地域医療構想をすり合わせ、各医療機関の自主的な機能転換を通じて需要に見合った病床数に収斂させていくことになる。
最新の2016年度病床機能報告の病床数(17年2月17日現在)をみると、高度急性期17万254床、急性期58万4416床、回復期13万9062床、慢性期35万4359床で、合計は124万8091床(図1)。一方、病床の必要量は、全構想区域における各機能の病床数を本誌が集計したところ、高度急性期13万455床、急性期40万632床、回復期37万5246床、慢性期28万4488床で、合計は119万821床だった。
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