仲野 徹先生の「ええ加減でいきまっせ!」の「カレーなる人生」(No.4840)を拝読し、そういえば私にもあるな、と思いました。
今を遡ること30余年、医師を志し医学部に入るずっと以前の話です。
私は4年制の大学を5年かけて卒業し、一般企業に就職するも2年半で退職。「やっぱり手に職だよね」などとうそぶきながら東京の早稲田大学近辺を徘徊していました。 その近くに鍼灸の専門学校があり、そこに通うために一人暮らしをしていたからです。
授業のカリキュラムに解剖学がありました。先生は某医科大学のK教授で、毎回面白い話を織り交ぜながらの授業をなさり、その内容にぐっと引き込まれていった毎日でした。ある授業で先生がこんな話をされました。
「あのね、僕は若い頃、留学してたんだ。お金がなくてねえ。ごはんも満足に食べられないからさ、栄養も考えて3食3食毎日バナナばっかり食べていたんだ。そうしたらある時、腋の臭いがバナナになっちゃったんだよ」。
うそだろう、と言いながらも一同爆笑でした。その頃、私も貧乏で食費を削るのが大変でした。
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