著者は研究開発系シリアルアントレプレナーであり、放射線科医師。時代が大きく変わりつつある中で、シンギュラリティへの準備を促す書(齊藤元章著、PHP研究所、2016年刊)
シンギュラリティ(技術的特異点)をご存知ですか。「人工知能が十分に賢くなって自分自身よりも賢い人工知能をつくるようになり、人工的知性が人類全体の知性の総和を超越する世界」のことです。スティーヴン・ホーキング氏は、「完全な人工知能を開発できたら、人類の終焉を意味するかもしれない」と警告しています。SFのようなお話ですが、この分野の世界的権威レイ・カーツワイル氏は、シンギュラリティの到来を2045年頃と予想しています。もう30年もありません。
「その前にプレ・シンギュラリティと言うべき大きな変革点を2030年頃に迎える」と言っているのが、この『プレ・シンギュラリティ』です。著者は医師ですが、世界的なスーパーコンピュータ(スパコン)の開発者でもあります。「エネルギー、衣食住、寿命の大変化が起こる。発電効率の大幅な改善、様々な新しいエネルギーの創出があり、衣料・食料・住居にお金が不要な社会になる……」。夢のような話が実にリアルに語られています。
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