症例は2歳男児。当院でインフルエンザ予防接種を受けた3日後に「首に発疹ができたが、予防接種の副反応か?」と電話で問い合わせを受けた。痒がる様子はなく元気もあって普通に保育所に通っているとのことであった。
「ワクチンが原因である可能性は低いが、発疹は診察させてもらえなければわからないこともあるので受診して下さい」と伝えたところ、その後、咳、鼻水が出現して発疹が増えたこともあり、電話を受けた2日後に来院した。母親は、予防接種が原因ではないとすると、歯科医に勧められた歯磨き粉が発疹と関係していることを心配していた。
来院時の診察所見では、全身状態は良好で機嫌もよく、胸部聴診所見、咽頭所見に異常なく、頸部リンパ節は触知しなかった。発疹は直径1~2mm程度の紫斑であり、首、腹部、下肢に散在していた。腹部では季肋部に肝臓を2cmほど触知した。
血液検査を行ったところ、白血球7万4800、赤血球441万、Hb 11.0、血小板5万3000と白血球増多と血小板減少を認め、血液をディフ・クイック®で染色したところ、写真に示すように核小体が染まり、細胞質が少ない芽球が多数認められた。診断は急性リンパ性白血病であった。
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