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金剛石も磨かずば(その1)─講義と試験について[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(154)]

No.4860 (2017年06月17日発行) P.73

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2017-06-17

最終更新日: 2017-06-13

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  • 4、5月は、医学部の病理学総論だけで60分×3回×16日もこなす講義月間で、学生がらみのとんでもない事件が毎年のようにある。以前はやたら腹をたてるばかりだったのだが、エッセイのネタにできるようになってからは、ちょっと嬉しかったりする。まるで季節モノで、編集部から「今年もそろそろ学生ネタを」という依頼を受けた。

    「いやぁ、幸か不幸か平穏無事で、なにも書くことありませんわ」と返事していたのだが、それも試験をするまでのことであった。失神しそうに出来が悪かったのである。成績不良もさることながら、多くの学生が、勉強のやり方をまったく工夫できないということに愕然とした。ということで、4回連続で、その愕然の顛末をば。まずは、講義と試験のやり方から紹介いたしまする。

    前にも書いたが、毎年何万部も売れる病理学の世界的なスタンダードテキストであるRobbinsの“Basic Pathology”を指定教科書として使っている。さすが阪大医学部の学生はそういうのを原書で読めるのか、と思われるかもしれないが、とんでもない。

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