私はベッドサイド回診が大好きだ。パソコンを囲んだカンファレンスで議論されていた病歴が、ベッドサイド回診で、思いもよらない情報が出てきて(指導医が引き出して)、診断が覆されることがある。カンファレンスの30分は何だったのだろうか?
先日、肺炎で入院した患者を、医師5人でベッドサイド回診した(写真)。私が、「この部位に、coarse crackleが聞こえますね」と言うと、ある医師が「え、fine crackleではないでしょうか?」。そうすると、また別の医師が「いや、私にはcrackle自体がよくわかりません」と答え、同じ肺炎の患者でも聴診所見が違ってしまった。そして、何度か聞き直しながら聴診所見の解釈を一致させた。また、毎日同じ患者を5人で回診していると、聴診所見は変化するものの、解釈は一致していった。
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