日本放射線腫瘍学会(Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology;JASTRO)の調査によると,我が国で放射線治療が行われた患者数は1990年代前半の年間10万人に満たない数から,現在は30万人へと急増している。治療目的も緩和治療の割合が多かった時期もあったが,現在では治癒を目的とするものが多くを占めるようになった。
欧米では多施設共同臨床試験グループの組織化が進み,多くの成果を生み出し続けている。その結果が質の高い科学的根拠となるランダム化比較試験(RCT)や複数のRCTのメタアナリシスにより,例えば乳癌温存療法で放射線治療が局所制御,生存の向上に寄与すること,脳腫瘍,頭頸部癌,食道癌,肺癌,子宮頸癌などで化学放射線治療が放射線治療単独より局所制御あるいは生存などの治療成績を向上させることなどが明らかになり,標準治療を変えてきた。以上のような科学的根拠の集積や,侵襲が少ない治療を望む患者の増加などが放射線治療患者数の増加につながっていると思う。
放射線治療は病巣に線量を集中させ,正常組織への照射容積,線量を少なくし,腫瘍制御を高め,有害事象を軽減するように進歩してきている。X線を用いた治療では,3次元治療計画,強度変調放射線治療(intensity-modulated radiotherapy;IMRT), 画像誘導放射線治療(image-guided radiotherapy;IGRT),定位照射などの治療方法の開発が行われ,RCTなどによる臨床的評価がしだいに明確になってきている。治療計画装置が進歩して,治療機器もリニアックに機能を付加され,IMRT,定位照射の専用機も開発され,また陽子線,重粒子といった粒子線治療の導入もあり,20世紀の放射線治療とは大きく変わってきた。
米国では陽子線治療の臨床的有用性への批判があり,Choosing Wisely Campaign Listにも挙げられているが,それはRCTがなく科学的根拠が十分に蓄積されていないと考えられているからである。理論的には優れていても臨床的評価は行う必要がある。最新治療が最適な治療というわけではない。
我が国でも,日本臨床腫瘍研究グループ(Japan Clinical Oncology Group; JCOG)放射線治療グループ,日本放射線腫瘍学研究機構(Japanese Radiation Oncology Study Group;JROSG)により臨床試験を行う体制が整ってきた。我が国で作成される診療ガイドラインの科学的根拠の多くは欧米での臨床試験によっている。我が国でも科学的根拠の創出への努力はますます必要である。日常臨床では自前の科学的根拠に基づく標準治療により行っていくようになることが望まれる。
放射線治療は,ほとんどのがん腫に治癒的あるいは緩和的目的で適応がある。広範囲にわたる領域で放射線治療はその役割を拡大させている。本稿では,①寡分割照射,②分子標的薬,③乳癌治療,④粒子線治療,⑤放射線障害,に絞って最新の成果について記載し,放射線腫瘍学の臨床面での進歩の一端について述べた。
最も注目されるTOPICとその臨床的意義
TOPIC 1/寡分割照射;短期照射
今後,急速な放射線治療患者数の増加,特に乳癌,前立腺癌の増加は著明であることが予測される。寡分割照射;短期照射は,①患者の経済的負担を軽減,②必要通院日数・入院日数が減少し精神的ならびに時間的負担を軽減,③施設,医療スタッフへの負担を軽減し,医療資源をさらに有効に活用でき,患者,医療者,医療施設に多大かつ良好な影響を及ぼし,我が国のがん診療に貢献し,社会的にも有益性が高い。どのがん腫でも根治治療では1回線量2.0Gyが標準であるが,今後はがん腫により至適線量が変わっていくであろう。
この1年間の主なTOPICS
1 寡分割照射;短期照射
2 分子標的薬との併用
3 乳癌治療における領域リンパ節照射
4 粒子線治療の現状
5 cancer survivorsにおける放射線障害への対応
寡分割照射は通常照射の1回2.0Gyを超える線量を使用し,総線量を減量し治療期間を短縮する照射方法である。この治療方法によれば患者の必要通院日数または入院日数が減少し,時間的負担および経済的負担を軽減し,また施設,医療スタッフへの負担も軽減し医療資源をさらに有効に活用できるという利点をもたらす。1960年代にも試みられたが,放射線による晩期障害が多く発症し,成功したとは言えなかった1)。1回線量を増量すると,抗腫瘍効果あるいは正常組織への効果を同じレベルとするには総線量を減じなければならない。60年代は皮膚反応に基づき決めていた総線量はLQモデルで,例えばα/β=2程度の腕神経などでは過線量であった2)。最近,LQモデルでのα/β値が小さい乳癌,前立腺癌を中心に,治療期間を短縮する寡分割照射と通常照射とのRCTが複数行われている。
乳癌では温存手術後の放射線治療での通常照射(50.0Gy/25回/5週)と寡分割照射〔42.5Gy/16回/3週(カナダ)あるいは40.0Gy/15回/3週(英国)〕のRCTの長期観察結果が報告されている3)4)。カナダでのOCOG試験では10年局所再発が通常照射612例(6.7%),寡分割照射622例(6.2%)と有意差がなく,生存および皮膚,皮下組織の晩期障害,乳房整容性にも違いがなく,寡分割照射が通常照射に非劣性であることが示された。英国でのSTART B試験では10年局所・領域再発が通常照射1105例(5.5%),寡分割照射1110例(4.3%)であり,晩期障害では虚血性心疾患,肋骨骨折,症候性肺炎はほぼ同じであったが,乳房萎縮,乳房浮腫,毛細血管拡張はむしろ通常照射が寡分割照射より多く,寡分割照射が安全で有効であることが示された。以上の結果から,寡分割照射がNCCN(National Comprehensive Cancer Network),NICE(National Institute for Health and Care Excellence),ESMO(European Society for Medical Oncology)という欧米のガイドラインでは標準治療のオプションの1つとなっている。
前立腺癌5)ではIMRTで行われた通常照射76.0 Gy/38回(2.0Gy/回,153例)と寡分割照射70.2Gy/ 26回(2.7Gy/回,154例)のRCTの結果が報告された。経過観察の中央値は68.4月であった。5年再発率(生化学的,臨床的)は通常照射21.4%,寡分割照射23.3%と有意差はなく(P=0.745),尿路障害,直腸障害など晩期毒性にも有意差がなかった。国際前立腺症状スコア(International Prostate Symptom Score;IPSS)で評価される尿路症状がある例では尿路障害の増悪傾向があり,その症例以外は寡分割照射の適応ありと結論している。
我が国でも厚生労働科学研究費補助金(がん臨床研究事業)「放射線治療期間短縮による治療法の有効性と安全性に関する研究」研究班により声門癌,乳癌,前立腺癌を対象に寡分割照射,短期照射の有効性と安全性を臨床試験により評価する研究が行われている。声門癌ではT1-2N0M0症例を対象に2.4Gyと1回線量を増量し,治療期間を7週から5週に短縮する試験治療と1回2.0Gyの標準治療とのRCTが行われ,予定された症例登録370例が終了している。42.56Gy/16回での寡分割照射が行われた乳癌も312例で登録を終了した。この2試験はJCOG試験として行われている。今後,結果の解析を行い順次報告していく。前立腺癌に対してはIGRTを用いて軟部織照合を併用したIMRTによる寡分割照射法70.0Gy/28回/6週(2.5Gy/回)が有効かつ安全か,検討する臨床試験を行っている。現在症例登録中である。
◉文 献
1) Fletcher GH:Radiother Oncol. 1991;20(1): 10-5.
2) Yarnold J, et al:Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2011;79(1):1-9.
3) Whelan TJ, et al:N Engl J Med. 2010;362 (6):513-20.
4) Haviland JS, et al:Lancet Oncol. 2013;14 (11):1086-94.
5) Pollack A, et al:J Clin Oncol. 2013;31(31): 3860-8.
分子標的薬は従来の殺細胞性の抗がん薬と異なり,がん細胞特異的に効果を示すことが期待できる。genomic technologyの発達により多くの分子標的薬がつくられている。これらの分子標的薬と放射線治療の併用により,がん細胞特異的な放射線増感作用を示す治療開発が期待されている1)。
欧米ですでに頭頸部癌に対する標準的治療のオプションとして使用されている分子標的薬セツキシマブが,我が国でも2012年12月,頭頸部癌を新たな効能・効果として,適応追加承認された。セツキシマブは上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor;EGFR)を標的とするヒト・マウスキメラ型モノクローナル抗体である。局所進行頭頸部癌を対象とした放射線治療単独群と放射線にセツキシマブを併用した群のRCTでは,併用群で有意に治療成績が向上することが報告されている2)3)。局所進行頭頸部癌(中咽頭,下咽頭,喉頭AJCCⅢ,Ⅳ期)424例を対象とした放射線治療単独213例,セツキシマブ併用211例の比較では,局所領域制御期間中央値は単独群14.9月に対して併用群24.4月が有意に優れていた〔ハザード比0.68(0.52~0.89),P=0.005〕。
セツキシマブ併用で痤瘡様発疹,気管支痙攣,蕁麻疹,低血圧,意識消失またはショックを症状としたアナフィラキシー様症状といったinfusion reactionが見られた以外は,Grade3~5の重篤な有害事象は両群でほぼ同じであった。5年生存率は放射線治療単独群36.6%に対して併用群45.6%と,併用群で有意に改善していた〔ハザード比0.73(0.56~0.95),P=0.018〕。併用群ではGrade2以上の皮疹を発症した群がGrade1以下であった群よりも生存率が高かった3)。セツキシマブが有害事象を増強せずにがんに対する放射線効果を増強したことが示された。これは局所進行頭頸部癌での標準治療である化学放射線治療が粘膜炎など有害事象を増強することとは異なる現象である。
初発膠芽腫の標準治療である術後の放射線+テモゾロミドにベバシズマブ有無のRCTが2試験報告されたが,結果は一定していない。AVAglio試験4)は全生存では有意差がなかったが,PFS(progression free survival)がベバシズマブあり群10.6月,なし群6.2月で有意差があり(P<0.0001),QOLもベバシズマブあり群で改善した。RTOG 0825 5)では全生存ばかりでなくPFSにも有意差が認められなかった。ベバシズマブの膠芽腫患者に対する役割は未だ検討の余地があることが示された。
◉文 献
1) Lin SH, et al:J Natl Cancer Inst. 2013;105 (10):686-93.
2) Bonner JA, et al:N Engl J Med. 2006;354 (6):567-78.
3) Bonner JA, et al:Lancet Oncol. 2010;11 (1):21-8.
4) Henriksson R, et al:J Clin Oncol. 2013;31 (Suppl):abstract 2005.
5) Gilbert MR, et al:J Clin Oncol. 2013;31 (Suppl):Abstract 1.
センチネルリンパ節生検陽性例を対象に腋窩リンパ節郭清(axillary lymph node dissection;ALND)と領域リンパ節照射(axillary radiotherapy;ART)のRCTが行われた〔EORTC Trial 10981-22023(AMAROS)〕1)。経過観察期間中央値6.1年で5年腋窩再発率がALND0.54%,ART 1.03%であった。計画されていたよりもイベント数が少なく,非劣性を証明するにはunderpowerであった。5年で全生存は93.27%(ALND),92.52%(ART)(P=0.3386), 非再発は86.90%(ALND),82.65%(ART)(P=0.1788)と,両群に有意差はなかった。リンパ浮腫発生はARTがALNDより有意に低かった〔1年:40%(ALND),22%(ART)(P<0.0001),5年:28%(ALND),14%(ART)(P<0.0001)〕。以上よりセンチネルリンパ節生検での陽性例ではARTが選択肢になりうることが示された。
リンパ節領域(腋窩,鎖骨上窩)への照射は腋窩リンパ節転移4個以上で行うことがコンセンサスであり1~3個の施行には議論が未だある。レベル1,2の腋窩郭清を行い,症例の85%がリンパ節転移1~3個であった例を対象にARTの有無によるRCTが行われた(NCIC-CTG MA.20)2)。放射線治療を行うことにより全生存〔5年:92.3%(ARTあり),90.7%(なし),P=0.07〕は改善する傾向があるも有意差が認められなかったが,局所非再発生存〔5年:96.8%(あり),94.5%(なし),P=0.02〕,遠隔非転移生存〔5年:89.7%(あり),84.0%(なし),P=0.003〕は有意に改善したことが示された。
以上,ARTの適応拡大につながり,日常臨床が変化する可能性がある報告である。乳癌治療において局所治療としての手術の範囲はしだいに縮小してきているが,それを補完するように放射線治療の役割は大きくなってきている。
◉文 献
1) Rutgers EJ, et al:J Clin Oncol. 2013;31 (18Suppl):LBA1001.
2) Whelan TJ, et al:J Clin Oncol. 2011;29 (Suppl;abstr):LBA1003.
2013年現在,日本には粒子線がん治療施設が11カ所(重粒子線4カ所,陽子線8カ所)ある。治療施設数においては世界で一番多い国となっている。現在建設中の施設,さらに計画中の施設も複数あり,粒子線治療大国といった様相を呈している。
粒子線治療として用いられている陽子線と炭素イオン線は,光子線とは異なりブラッグピークを形成する物理学的特性を持ち,より高い線量集中性が得られる。生物学的効果比は陽子線で1.1,炭素イオン線で2.0~3.0であり,X線よりは高い。このように粒子線はX線と比べ優れた物理学的および生物学的利点がある。しかし,その理論的利点にもかかわらず,前向き臨床試験が少なく臨床的有用性が示されていないという批判がある1)。報告されている研究は単施設の第Ⅰ相・第Ⅱ相試験で明確な有用性を示す科学的根拠に欠け,従来の光子線よりも効果があり毒性も少ないという説得力のある臨床研究はなく,粒子線治療は未だ物理学的,生物学的な特性を臨床応用する研究段階だとしている1)。
ASTRO emerging technology committee2)が陽子線治療の現状での有効性について報告している。現時点でX線治療を上回る治療成績が得られる腫瘍は眼球悪性黒色腫,脊索腫のみである。小児脳腫瘍ではX線よりも優れてはいるが,さらにデータが必要である。肝細胞癌,前立腺癌では陽子線治療による効果は報告されてはいるが,X線を上回る科学的根拠がない。肺癌,頭頸部癌,消化器癌および小児の脳腫瘍以外の腫瘍には陽子線治療を推奨する科学的根拠はないとしている。
陽子線治療の有用性に否定的な報告もある。2000~09年のSurveillance, Epidemiology,and End Results(SEER)–Medicare-linked dataによる前立腺癌における陽子線治療,IMRTおよび通常照射の晩期障害の比較によると,陽子線治療はIMRTに比べ直腸障害が多かったという報告3)や,2008〜09年のMedicareでの調査では費用が陽子線で高かったがIMRTとは治療後6カ月,12カ月の時点での腸管障害などの障害には違いがなかったという報告4)があり,IMRTを含むX線治療と比べて費用が高額な陽子線治療が,それに見合った効果を上げていないという議論がある。ASTROは前立腺癌における陽子線治療の役割は現時点では不明確であり,費用が非常に高い陽子線治療の有用性を臨床試験により評価する必要があるという声明を出し,Choosing Wisely Campaign Listに挙げている5)。
以上の状況の中,光子線治療と陽子線治療のRCTがいくつか企画された。IMRTとのRCTがMassachusetts General Hospital,Pennsylvania大学共同で前立腺癌を対象6)に,MD Andersonがんセンターでは食道癌,中咽頭癌7)で開始されている。また,前向きに長期間にわたる標準化されたデータ集積を行い,観察研究やRCTを支援する登録の開発が必要という議論もある1)。
◉文 献
1) Miller RC, et al:Semin Radiat Oncol. 2013;23(2):127-33.
2) Allen AM, et al:Radiother Oncol. 2012; 103(1):8-11.
3) Sheets NC, et al:JAMA. 2012;307(15): 1611-20.
4) Yu JB, et al:J Natl Cancer Inst. 2013;105 (1):25-32.
5) ASTRO:ASTRO Position Statement:Use of Proton Beam Therapy for Prostate Cancer, 2013.
[https://www.astro.org/uploadedFiles/Main_Site/Practice_Management/Reimbursement/ProtonProstateStatement.pdf]
6) Proton Therapy vs. IMRT for Low or Intermediate Risk Prostate Cancer(PARTIQoL), 2014.
[http://clinicaltrials.gov/show/NCT01617 161]
7) Clinical Trials at MD Anderson Cancer Center.
[http://www.mdanderson.org/patient-and-cancer-information/cancer-information/clinical-trials/search-clinical-trials.html#byTreatment]
cancer survivorsは治療が終了した後に治療による有害事象を発症するリスクがある。放射線治療によっても照射部位により白内障,甲状腺機能低下,不妊,肺障害,記憶障害などが発生し,特に心毒性,発癌は重要である。
放射線による心毒性(radiation-induced heart disease;RIHD)には心外膜炎,冠動脈疾患,心筋梗塞,弁膜症,不整脈などがある。近年,長期生存者の増加とともに認識されるようになり,現在では心臓は放射線治療の重要な線量制約臓器の1つである1)2)。European Association of Cardiovascular ImagingとAmerican Society of EchocardiographyよりRIHDの早期発見,モニターのための画像診断(超音波,MR,CT,核医学)アルゴリズムが提案されている3)。
若年時にホジキン病治療において胸部照射された長期生存者は,乳癌発症リスクが高くなる。そのため長期にわたる経過観察が必要である4)。スクリーニングの初の前向き研究として,35歳以下でホジキン病で胸部照射され8年以上経過した148例を対象に,毎年の乳房撮影に加え,3年ごとのMRIのスクリーニングを行った報告がなされた5)。18例で乳癌が診断された。MRIのみで診断5例,乳房撮影のみ6例,両者で診断9例であった。この研究ではMRIを加えることが,乳房撮影単独に比べ乳癌診断に優れているということを証明できなかったが,MRIのみで診断された5例のうち4例が早期例であり,MRIを乳房撮影に併せて施行することにより,早期例の発見には有用であることが示唆されたとしている。
がん罹患者の急増および治療成績向上から長期間のcancer survivorsが増えてきて,今後は治療による有害事象への対応を充実させていく必要がある。
◉文 献
1) Darby SC, et al:Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2010;76(3):656-65.
2) Darby SC, et al:N Engl J Med. 2013;368 (11):987-98.
3) Lancellotti P, et al:J Am Soc Echocardiogr. 2013;26(9):1013-32.
4) Swerdlow AJ, et al:J Clin Oncol. 2012;30 (22):2745-52.
5) Ng AK, et al:J Clin Oncol. 2013;31(18): 2282-8.