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肺転移のラジオ波焼灼術について

No.4921 (2018年08月18日発行) P.61

呉 隆進 (都島放射線科クリニック院長)

山門亨一郎 (兵庫医科大学放射線医学教室主任教授)

登録日: 2018-08-15

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  • 肺転移に対する定位放射線治療は標準治療となっていますが,低線量域の広がりに伴う放射線肺炎により,少数転移の治療に限られます。その点,ラジオ波治療は治療に伴う正常肺の障害体積が小さいため,全身の病勢がコントロールされている患者であれば,多発肺転移に対しても補助的な局所治療として有望だと思われます。肺のラジオ波治療に造詣が深い兵庫医科大学・山門亨一郎先生に将来展望をお聞きしたいと思います。

    【質問者】

    呉 隆進 都島放射線科クリニック院長


    【回答】

    【呼吸機能を悪化させることなく複数回行える利点があり,有効な治療法と言える】

    米国のガイドラインでは,臨床病期Ⅰaの非小細胞肺癌患者に対してラジオ波焼灼術(radiofrequency ablation:RFA)を行うと,未治療よりは生存期間の向上が得られるため,手術適応がない患者では考慮すべき治療であると記載されています。また,治療成績の報告が限られてはいるものの,1回の手技で治療が終了し,費用も安いことから体幹部定位放射線治療の代替になる可能性も示唆されています。

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