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子宮頸癌,子宮体癌に対する術後放射線治療のメリットと留意点【IMRTにより確実に合併症が軽減した。今後,多施設共同試験JCOG1402の結果に期待】

No.4917 (2018年07月21日発行) P.58

大野達也 (群馬大学重粒子線医学センター教授)

礒橋文明 (大阪大学大学院医学系研究科 放射線治療学教室准教授)

登録日: 2018-07-22

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  • 子宮頸癌や子宮体癌に対する放射線治療の最近の進歩について具体的な解説をお願いします。強度変調放射線治療によるメリットや実施上の留意点についてもご教示下さい。大阪大学・礒橋文明先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    大野達也 群馬大学重粒子線医学センター教授


    【回答】

    術後の病理組織所見により再発リスクがある症例に対して,子宮頸癌・子宮体癌ともに,術後放射線治療(全骨盤照射)の適応があります。ただしわが国は欧米とは異なり,子宮体癌に対しては骨盤リンパ節郭清術を施行することが一般的であり,術後補助療法としては化学療法が選択されることが圧倒的に多いです。

    術後に全骨盤照射を行うことの問題点として,子宮摘出術後は,もともと子宮が存在した骨盤腔内に小腸が落ち込み,手術操作に伴う炎症と癒着により恒常的に骨盤内に小腸が存在する状況になるため,小腸障害が起こりやすいことが挙げられます。また,照射される小腸の体積が大きいほど小腸障害が起こりやすいことも報告されています1)。そこで,強度変調放射線治療(intensity modulated radiation therapy:IMRT)の導入により,小腸障害の軽減が試みられています。

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