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同時化学放射線療法

No.5009 (2020年04月25日発行) P.57

星 章彦  (武蔵野赤十字病院放射線科部長)

登録日: 2020-04-27

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 【有害事象への対応も進歩したことから適応疾患が拡大】

集学的がん治療が進み,放射線治療と化学療法の特徴を生かす治療法として,化学放射線療法が局所進行がんに広く用いられている。局所治療としての放射線の効果を高めるため,相加・相乗効果を目的に化学療法が加えられ,放射線の効果が及ばない微小遠隔転移に対して化学療法が加えられる。併用のタイミングとして,いずれかを先行させ残りの治療を続けて行う順次化学放射線療法,交互に施行する交替化学放射線療法もあるが,直接相互作用が働き,治療期間も短く治療強度が高く,一方で有害事象への対応も進歩したことから同時化学放射線療法が主流となっている。

相互作用としては,放射線増感剤として殺細胞性抗癌剤が入る場合や,放射線による亜致死障害からの回復を阻害するために入る場合がある。また,細胞周期と感受性の違いもあり,投与のタイミングは様々で,スケジュール的にも6週間程度の放射線治療期間に1週目と3ないし4週目に大量投与,毎週1回中等量投与,連日少量投与等,様々行われている。

薬剤も強度を高め多剤にしたり,有害事象から減らしたりといった中で,ガイドライン等から悪性神経膠腫でテモゾロミド,頭頸部腫瘍でシスプラチン,食道癌でシスプラチン+5-FU,非小細胞性肺癌でカルボプラチン+パクリタキセル,シスプラチン+ドセタキセル,小細胞性肺癌でシスプラチン+エトポシド,直腸癌でカペシタビン,肛門管癌で5-FU+マイトマイシンC,子宮頸癌でシスプラチンといった組み合わせが主に使われている。

【解説】

星 章彦 武蔵野赤十字病院放射線科部長

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