(大阪府 W)
わが国では,HBVとHCVの重複感染例が少ないので,あまり注目されていませんでしたが,アジア諸国では,従来のペグインターフェロン(Peg-IFN)・リバビリン併用療法によるHBV再活性化(HBV-DNA上昇)の報告は複数あります1)2)。その多くは,肝機能正常あるいは軽度肝障害にとどまり,臨床的には問題視されていませんでした。
IFNフリー治療になりHBVの再活性化が注目されるようになった理由として,主にHBs抗原陽性例においてですが,治療早期(4~8週)からHBV-DNAが上昇して肝障害を引き起こす頻度が高いことが考えられます3)4)。要因として,以下の2点が挙げられます。
①IFNフリー治療では,治療開始早期からHCV排除が可能となり,直接干渉作用がある場合,HBVの再活性化(HBV-DNA上昇)が引き起こされる。
②HCV排除に伴い内因性のIFNおよび誘導遺伝子発現が低下して抗ウイルス活性が減弱するため,HBV再活性化が引き起こされる。
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