厚生労働省は8月25日、2018年度税制改正要望を公表した。過疎地域における医療機関の減少や医師の高齢化などを踏まえ、個人開設の医療機関を対象に、医業承継にかかる相続税を免除する措置の創設を盛り込んでいる。
減免措置の対象は個人が開設する診療所・病院で、都道府県知事が地域の医療機能の維持に必要と認めたもの。診療所・病院を5年間継続して運営することを要件に、相続する資産額のうち、土地、建物、医療機器など「医療に必要な資産額」に相当する相続税を納税猶予とし、次世代に承継すれば免除する。
医療機関における控除対象外消費税問題の抜本解決に向けては、2017年度与党税制改正大綱を踏まえ「18年度税制改正に際し、総合的に検討し結論を得る」とした。また、消費税問題が解決されるまでの間も医療機関が安定して設備投資をできるよう、都道府県が策定する医療計画等に資する固定資産を医療機関が取得した場合、所得税・法人税等を減免する措置の創設も要望した。