診療報酬調査専門組織のDPC評価分科会(山本修一分科会長)は1日、2018年度の次期診療報酬改定でDPC対象病院のⅠ群、Ⅱ群における機能評価係数Ⅱの重みづけについて、実施を見送る方針を確認した。
DPCの包括評価は「診断群分類ごとの1日当たり包括点数」×「入院日数」×「医療機関別係数」で算定。次期改定に向けた議論では、Ⅰ群・Ⅱ群について、医療機関別係数のうち、医療機関が担うべき役割や機能に対するインセンティブを評価する機能評価係数Ⅱの重みづけ(割り当て分を増やす)を行うかどうかが論点の1つとなっている。
同日の会合では厚生労働省が、大学病院本院で構成するⅠ群は、多くの領域においてⅡ群や全DPC対象病院に比べ平均在院日数が長い傾向にあることから、在院日数短縮の取り組みを評価する「効率性係数」を重みづけすることを提案。これに対し、猪口貞樹委員(東海大)が「リスクの低い患者をどんどん自院で診るといった(Ⅰ群)本来の機能に反した動きが惹起される恐れがある」と懸念を示すなど、反対意見が次々に上がった。
II群では総合的な体制を評価する「カバー率係数」について検討。しかしⅠ群同様に地域の事情を勘案しない一律での重みづけに対して反対意見が相次ぎ、見送られる形となった。同分科会の方針は中央社会保険医療協議会総会に報告される。