厚生労働省は1月31日、2012年度における「保険医療機関等の指導・監査等の実施状況」を発表した。指定取消処分となった保険医療機関等は前年度の45件から72件となり、そのうち医科は20件から42件に倍増。取消の端緒となったのは、72件中38件が「保険者等からの通報」で、昨年同様に半数以上を占める形となった。
取消内容の原因は不正請求がほとんどで、近畿厚生局管内の特定会社の系列コンタクトレンズ診療所に対する指定取消相当の取扱いは20件に上った。このほか施設基準を満たさないにもかかわらず、療養病棟入院基本料2を算定していたはまなこ病院(静岡県)に対する返還金額は約18億9500万円となった。
個別指導の実施件数は合計4302件(前年度比347件増)で、そのうち医科は1553件(前年度比125件増)。実施状況が報告された5日の中医協総会では、鈴木邦彦委員(日医)が増加した理由について質問。厚労省担当官は考えられる増加理由として震災からの回復業務の効率化を挙げたが、「個別指導の目標数はあるが、増加の明確な理由は分析していない」と説明した。