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未妥結減算で“自主財源”確保なるか[お茶の水だより]

No.4685 (2014年02月08日発行) P.11

登録日: 2014-02-08

最終更新日: 2017-09-20

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▶中医協は間もなく2014年度診療報酬改定について答申を行う。今改定の目玉は医療提供体制の機能分化に向けた病床再編への誘導だが、ほかにも“画期的”な項目がある。「調剤報酬等における適正化・合理化」として、妥結率の低い大病院や20店舗以上の調剤薬局チェーンの診療報酬上の基本料を引き下げる「未妥結減算」の措置が導入されるのだ。
▶厚労省にとって医薬品取引における、長期未妥結問題の解消は積年の課題だ。薬価は改定前年の薬価調査に基づき公定価格と実勢価格との乖離率を算出し、調整幅を勘案した上で引き下げられる。未妥結は薬価調査に反映されず、調査結果の乖離率にも誤差が生じる。今改定に向けた2013年9月の薬価調査では乖離率は8.2%、妥結率は73.5%だった。
▶厚労省の城克文保険局経済課長が「未妥結の26%強を加味すれば、14年度改定の薬価改定率は変わっていたかもしれない」と語るほど、長期未妥結の影響は大きい。卸との交渉で優位に立つ200床以上の病院と20店舗以上の調剤チェーンの妥結率は、それぞれ50.2%、51.9%と低い状況にある。薬価調査の信頼性にも影響を与える上、医薬品取引には規模の論理が強く働くことも明らかとなっており、中医協の場でも鈴木邦彦委員(日医)は「大規模薬局チェーンによる未妥結仮納入は目に余る。規制が必要」と問題視していた。
▶医薬品卸もこの状態を放置しているわけではないが、大口取引先との交渉は容易ではなく、自主的な改善は期待できない。そこで業を煮やした厚労省が大ナタを振るう格好となったが、背景には今改定で大きな存在感を示した財務省の影があると見るのは早計だろうか。
▶来年10月には消費税率10%への引上げを控える。厚労省は今改定で、薬価改定財源で消費税対応分を何とか確保した状態だった。医療界を含め、10%引上げ時には抜本的な対応を求めているが、財務省は引き続き厳しい姿勢で臨んでくるに違いない。こうした状況も踏まえ、厚労省は自前で財源を生み出すため、来年10月に間に合うタイミングで、強引でも先手を打つ必要があったのではないか。
▶一方、今回の措置は自由取引への公的権力の介入との批判もあり、撤回を求める声も出ている。この措置が反映された薬価調査の結果次第では是否が問われる可能性もあり、調査結果が注目される。

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