社会保障審議会医療部会は15日の会合で、2018年度の次期診療報酬改定の基本方針策定に向けた議論をスタートした。会合では厚生労働省が、6日の同審議会医療保険部会に示した3つの基本認識と「地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携」「医療従事者の負担を軽減し、働き方改革を推進する」など4つの基本的視点を提示。委員から方向性について特段反対意見はなかったが、複数の委員が診療報酬体系の簡素化を要望した。
診療報酬体系の簡素化に関しては、四病院団体協議会が7日に加藤勝信厚労相に意見書を提出している。猪口雄二委員(全日本病院協会)は、少子高齢化を踏まえ、「人手不足は深刻で医療機関の効率的な運営という観点から、診療報酬そのものを簡素化しないともう対応できない」と強調。相澤孝夫委員(日本病院会)はこれに賛同した上で、「施設基準で何かを揃えれば算定できるという仕組みを変えていく必要があるのではないか」との考えを示した。
このほか、楠岡英雄委員(国立病院機構)が「今までの診療報酬は患者に直結した医療提供のみが評価されてきた。これからはタスクシフティングなど医療従事者の負担を軽減し、間接的に医療の質の担保につながる部分についても評価していく必要がある」と指摘するなど、診療報酬体系の抜本的見直しを視野に入れた議論が展開されることになりそうだ。