人生の最終段階における医療(終末期医療)に関して、住民に対する普及啓発の資料を作成している自治体は都道府県が3割弱、市町村は1割弱にとどまることが厚生労働省の調査で分かった。同省が9月29日に開いた「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」に報告した。
調査は今年2〜3月、47都道府県、1741市区町村に実施。住民に対する普及啓発を目的としたパンフレット等の媒体の作成状況などについて聞いた。回収数は都道府県が41件(87.2%)、市区町村が1158件(66.4%)。
その結果、パンフレット等を作成したのが都道府県は11(23.4%)、市区町村は112(6.4%)、現在作成中が都道府県は1(2.1%)、市区町村は26(1.5%)にとどまった。資料を作成した自治体に、資料の内容について配布時に説明を行っているか聞いたところ、説明を行っているのが74.6%。説明者の職種は医師・保健師・看護職員59.2%、行政職員36.2%だった。
資料配布の課題については「配布する時期、タイミングの見極めが難しい」「医療従事者や関係者の内容の理解、協力が必要」「人生の最終段階の医療について考えたくない・関心のない住民への意識啓発」などが上がった。
調査結果について厚労省は「今後の普及啓発の足元値になるる」とコメント。同省は今月、国民に対する意識調査を実施し、12月の次回会合で結果を報告する予定。普及啓発に関する報告書の取りまとめは来年3月を予定している。