医療関係40団体でつくる「国民医療推進協議会」は3日の総会で、来年4月の診療報酬・介護報酬の同時改定に向け、財源の確保や医療の消費税問題の抜本解決を求め、決議を採択した。
同協議会の横倉義武会長(日本医師会)は、22日に投開票が予定される衆議院議員選挙を踏まえ、「どのような政権になろうとも、十分な財源が確保できなければ、医療従事者の雇用が失われ、地域医療は崩壊する」と強調。「政府がなすべきは社会保障を充実する施策を大胆に展開し、国民の不安を和らげ、経済成長につなげること。給付範囲の縮小は断じて容認できない」と述べた。
自民党は政権公約で、消費税率10%引上げに伴う増収分財源の使途を見直す方針を表明。5兆円強と見込まれる増収分のうち2兆円程度を、債務返済から教育無償化などへ振り向けるとしている。これに関して横倉氏は、教育を「広い意味での社会保障」と捉え、理解を示しつつも、「増収分を他の財源として使えるならば、医療・介護の充実に使うことも1つの方法」とした。
総会では、消費税率引上げを支持する日医の方針を疑問視する声も上がった。葉梨之紀氏(全国有床診療所連絡協議会)は「企業の内部留保は400兆円を超えたが、平均給与額は10年前より下がっている。10%引上げを認めたら国民を敵に回すのでは」と懸念。これに対し横倉氏は「10%引上げは(2012年の)三党合意の決定事項。社会保障財源の枯渇は事実だ」と述べ、理解を求めた。