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てんかんのある人における睡眠の評価・治療上の注意点【夜間のてんかん発作や睡眠関連疾患を背景に,日中の眠気や不眠などが生じる。詳細な問診が重要】

No.4878 (2017年10月21日発行) P.60

寺田清人 (静岡てんかん・神経医療センター神経内科医長)

小栗卓也 (公立陶生病院神経内科部長)

登録日: 2017-10-19

最終更新日: 2017-10-17

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  • てんかんのある人では,眠気もしくは不眠を訴える人が多くおられます。また,その中には睡眠潜時反復検査(multiple sleep latency test:MSLT),ヒト白血球型抗原(human leukocyte antigen:HLA),オレキシンなどの各種検査からナルコレプシーの併発と診断される人も時に経験します。てんかんのある人における睡眠の評価,治療などの注意点について,睡眠診療の立場より公立陶生病院・小栗卓也先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    寺田清人 静岡てんかん・神経医療センター神経内科 医長


    【回答】

    てんかんのある人では,睡眠の断片化(sleep fragmentation)による夜間中途覚醒や熟眠感欠如のほか,日中の過度の眠気などが問題となります。その原因として,夜間のてんかん発作,内服薬の影響,他の睡眠関連疾患の合併(睡眠時無呼吸症候群など)などが挙げられます。疫学調査では,てんかんのある人では40~51%に不眠の訴えがあり,うつ症状やQOL低下との関連も指摘されています1)

    睡眠の問題に介入する上では,まず詳細な問診が欠かせません。その際は,単に直接的原因を探るだけでなく,症状に関連する社会的背景や影響まで把握することが望まれます。夜間のてんかん発作や睡眠関連疾患の合併が疑わしい場合は,常時監視またはビデオ監視下での終夜睡眠ポリグラフィを行い,診断を確定します2)。特にてんかん発作が疑わしい場合は,脳波電極の増設も考慮します。

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