【質問者】
寺田清人 静岡てんかん・神経医療センター神経内科 医長
てんかんのある人では,睡眠の断片化(sleep fragmentation)による夜間中途覚醒や熟眠感欠如のほか,日中の過度の眠気などが問題となります。その原因として,夜間のてんかん発作,内服薬の影響,他の睡眠関連疾患の合併(睡眠時無呼吸症候群など)などが挙げられます。疫学調査では,てんかんのある人では40~51%に不眠の訴えがあり,うつ症状やQOL低下との関連も指摘されています1)。
睡眠の問題に介入する上では,まず詳細な問診が欠かせません。その際は,単に直接的原因を探るだけでなく,症状に関連する社会的背景や影響まで把握することが望まれます。夜間のてんかん発作や睡眠関連疾患の合併が疑わしい場合は,常時監視またはビデオ監視下での終夜睡眠ポリグラフィを行い,診断を確定します2)。特にてんかん発作が疑わしい場合は,脳波電極の増設も考慮します。
残り1,182文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する