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緩和ケアの質を全国調査【厚生労働省】

登録日: 2017-10-17

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厚生労働省健康局がん・疾病対策課の久保田陽介課長補佐は15日、緩和ケアの質について全国調査を進めていることを明らかにした。

日本サイコオンコロジー学会総会と日本臨床死生学会総会の合同大会で久保田氏は、第3期がん対策推進基本計画案を踏まえた、緩和ケアと心のケアについて講演。会場からは「(がん患者の)治療は拠点病院が6割の一方で、亡くなるのは一般病院が6割。(拠点病院の指定要件には緩和ケア研修の受講促進が盛り込まれているが)拠点病院以外では要件となることはないため、普及は難しい」として対策を求める意見が出た。久保田氏は「国立がん研究センターを中心に、全国の在宅や一般病院、拠点病院での緩和ケアの質について調査を進めている。その結果を踏まえ、検討したい」と話した。

このほか会場からは、地方病院の現状について「精神腫瘍科医が不在で、近医の精神科医に非常勤を頼み、なんとか対応してもらっているが、精神科医は精神科の医療で精いっぱい」という声が上がった。これに対し、講演の座長を務めた内富庸介氏(国立がん研究センター中央病院)は、「緩和ケア研修会の講師になっている精神腫瘍学の専門家は約900名いる。研修会などを通して地域ネットワークを構築すれば、もう少し精神腫瘍学の稼働性が上がると思う」との考えを示した。

(写真キャプ) 「基本計画案が閣議決定され次第、がん患者の自殺実態調査も行う」方針を話す久保田氏

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