日本医師会男女共同参画委員会・女性医師支援センターは9月、病院に勤務する女性医師の勤務環境に関する調査の結果を発表した。1週間の実勤務時間40時間以内は3分の1に留まり、過労死ラインといわれる1カ月の超過勤務80〜100時間は12%、100時間以上も13%に上った。女性医師の厳しい勤務環境、出産・育児など家庭と仕事との両立の難しさが改めて浮き彫りになったといえるだろう。
2006年から厚生労働省は、女性医師がライフステージに応じて働くことができる柔軟な勤務形態の促進とキャリア形成の支援を目的に、「女性医師支援センター事業」を日本医師会に委託している。事業の中心となるのが、職業紹介を行う女性医師バンクの運営だ。2007年にスタートし、今年で10年目を迎える。就業継続(離職防止)と再研修を含む復職の支援が運営の2本柱で、会員・非会員問わず利用ができる。求人・求職ともに費用は無料だ。
女性医師バンクの2016年度の就業実績件数は、前年度から倍増している(図1)。その理由について日医の今村定臣常任理事は、「昨年10月から体制を変え、専任のコーディネーターが相談・マッチングにあたるようにしたことが大きい」と明かす。
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