クリニック経営において,人材確保は常に頭を悩ませる課題の1つです。特に,小規模な医療機関では,限られた人員で日々の診療を回す必要があり,急な欠勤や業務量の増加に柔軟に対応できる体制づくりが欠かせません。そんな中で注目されるのが,パートスタッフの効果的な活用です。院長の中には正職員信仰を抱いている方も多く見受けられますが,思い切って発想を変えてみると,クリニックの発展に役立つことがあります。
雇用形態をパートタイムにする理由として一番に考えられるのは,子育て中であることでしょう。子どもを保育園に預けて働く女性が増えてきましたが,フルタイムで働けない・働かない人の中に優秀な人材が多く存在することを忘れてはいけません。子育てなどで離職している人の中には,有名企業でキャリアを積んだ人材も存在しています。また,子育てにはマルチタスクが求められます。子育て中のお母さん・お父さんには,仕事でも自然とマルチタスクができるようになっている人もたくさんいます。
今回は,パートタイムの人材の能力を活かして業務を任せるために,考えるべきことについて説明します。