No.4881 (2017年11月11日発行) P.10
登録日: 2017-11-10
最終更新日: 2017-11-10
いわゆるDPC(Diagnosis Procedure Combination)制度は、診療報酬の出来高算定方式が招く急性期入院医療の“過剰医療”が問題視されてきたことを踏まえ、2003年に導入された診療報酬の包括評価制度。試行導入の結果、米国のDRG(Diagnosis Related Group)が採用する1入院当たりの包括評価に比べ、1日当たりの包括評価の方が、1日単価を下げるインセンティブが存在することなどが確認され、医療の標準化・効率化に向けた日本独自の制度として開発された。
本来DPCとは診断群分類を指す。診断名と関連する診療行為などに基づく患者分類の1つで、診断群分類に基づく1日当たり定額報酬算定制度を意味する場合は、DPC/PDPS(Per-Diem Payment Sysytem)と呼ぶのが正しい。調整係数による収入保障がある点や効率的な経営を行えば利益増が望めることなどの理由から、対象病院は段階的に拡大し、17年4月時点で1664病院。病床数ベースでは、全一般病床(約89万床)の約55%を占める。
DPCは14桁の診断群分類コードで表され、入院期間中に医療資源を最も投入した「傷病名」と提供される手術、処置、化学療法などの「診療行為」との組み合わせ(図1)で分類される。傷病名の分類は、「ICD-10」(国際疾病分類)、診療行為などは診療報酬の医科点数表の区分(Kコード等)で定義されたものをそれぞれ用いる。前回16年度診療報酬改定時点で主要診断群(MDC)は18種類、DPCコードは4918種類が設定されている。
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