気鋭の絵本作家・ヨシタケシンスケ氏による発想絵本の第3弾。「しんだおじいちゃん」が書いた「このあと どうしちゃおう」ノートを見つけた「ぼく」が、死について考えを巡らす。ブロンズ新社より2016年に刊行
本書は、発想する絵本で『死』をテーマに書いたもの。私は在宅医療の現場で働き、最期を家で迎える看取りも多数行っている。地域包括ケアシステムの名のもとに最期を迎える場所が自宅という選択も増えつつあるが、そのための『死の教育』というものは残念ながら私が医学生の時代は学んだことはなかった(いい加減な医学生だったからかもしれないが)。
昔、大家族が看守るなか、枯れていくように自宅で最期を迎えていた時代には、そこにいる誰もが当たり前に感じていた『死』。生きていれば必ず誰しもに訪れる『死』。今後迎える我が国の多死社会において『死の教育』というものはどのように行っていくべきであろうか。高齢者を支える介護者の世代だけでなく、若い世代にも現実の『死』を感じてもらうためには、子供たち世代からの『死の教育』が必要なのではないかと考える。
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