厚生労働省の医師需給分科会は8日、医師偏在対策を概ね取りまとめた。焦点となっていた医師少数区域での勤務経験を医療機関の管理者として評価する案については、対象医療機関が地域医療支援病院の一部に限定された。
分科会が昨年6月に公表した第一次中間取りまとめでは、「特定地域・診療科で一定期間診療に従事することを、臨床研修病院、地域医療支援病院、診療所等の管理者の要件とすることを検討」と記述。これを受け分科会は医師少数区域での勤務経験を一定の医療機関の管理者として評価する方向性について議論していたが、「一定の医療機関」に診療所を含めるかどうかで意見が割れていた。
同日の分科会で厚労省は、医師偏在対策の第二次中間取りまとめ案を提示。その中では、医師少数区域での勤務経験を「一定の医療機関の管理者に求められる基準の一つとすべき」とし、その対象医療機関について「まずは地域の医療機関と連携しながら地域医療を支えるという制度上の目的を有する地域医療支援病院のうち、医師派遣・環境整備機能を有する病院とする」と明記した。対象医療機関に診療所を含めるべきとする一部構成員の意見に関しては、そうした意見が分科会であったことを紹介するにとどめている。
厚労省は年内に最終的な医師偏在対策を取りまとめる方針。その後、来年の通常国会に医療法と医師法の改正案を提出する。