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【私の一本】沈黙─サイレンス─

No.4886 (2017年12月16日発行) P.75

浅井 篤 (東北大学大学院医学系研究科医療倫理学分野教授)

登録日: 2017-12-12

最終更新日: 2017-12-12

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  • 戦後日本文学の金字塔をマーティン・スコセッシ監督が映画化。「人間にとって本当に大切なものとは何か」を描く。ソニー・ピクチャーズエンタテインメントよりBlue-ray、DVDが発売

    まさに今の世界を描いた歴史映画

    今回、皆さんにお勧めしたい映画は、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙─サイレンス─』(2016年)です。原作は遠藤周作が1966年に発表し高い評価を得た小説です。物心ついた頃からずっと映画ファンで無数の作品を鑑賞してきましたが、今の世界の有り様を見るにつけ、多くの人々が本作品を観て、自分の信念や態度、母国や世界の歴史を振り返る機会を持つことが大切と考え、本作を取り上げました。

    舞台は島原の乱の後の江戸時代。キリスト教信仰は禁止され信者は激しく弾圧されていました。そんな1640年の日本に、背信したフェレイラ神父を追って、弟子のロドリゴら2名の神父が密入国します。密告によってロドリゴは捕えられ棄教を迫られます。関係する多くの信者が殺され拷問を受けました。そして、ある日、ロドリゴの前に踏絵が置かれるのです。

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