厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」と同検討会の「医師需給分科会」は18日の合同会議で、医師偏在の改善策を盛り込んだ「第2次中間取りまとめ」案を了承した。同省は年明けの通常国会に医療法と医師法の改正案を提出し、今後の分科会では2020年度以降の医学部定員を議論する方針。
第2次中間取りまとめでは、医師確保対策の実効性を高めるため、各地域の医師の多寡を客観的に比較・評価できる「医師偏在の度合いを示す指標」を設定。都道府県は指標を活用しつつ、医師確保の目標を記載した「医師確保計画」を策定する。医師派遣調整を担う「地域医療支援センター」の業務も見直し、地域枠卒業生のキャリア形成プログラムを必ず作成するようにして地域定着を図るほか、医師の派遣先が公立・公的医療機関に偏らないようにする。
医学部入学枠については、知事が管内の大学に対し「地元出身者枠」の設定・増員を要請できる制度を創設する。臨床研修病院の指定・定員設定を行う権限も国から都道府県に移管。新専門医制度に関しては、研修プログラム認定前に都道府県が日本専門医機構に意見を述べることができる仕組みを設ける。
また、医師少数区域に一定期間以上勤務した医師を国が認定し、地域医療支援病院等の管理者になる際に評価する仕組みも創設する。
検討会座長の森田朗座長(津田塾大)は「強力な医師偏在対策を講じることは喫緊の課題」と述べ、法律の早期成立に期待を表明した。