厚生労働省は22日、社会保障審議会医療部会で、同省検討会が了承した医師偏在対策の「第2次中間取りまとめ」の内容を報告した。
「第2次中間取りまとめ」では、医師確保に関する都道府県の権限を大幅に拡大。医師少数区域に勤務した医師を国が認定し、地域医療支援病院の管理者になる際に評価する仕組みも創設すべきとした。厚労省は医療法などの改正案を年明けの通常国会に提出する方針だ。
これに対し、遠藤直幸委員(全国町村会)は「これまでとは違い、一歩踏み込んだ内容」と高く評価。一方、中川俊男委員(日本医師会)は「全然進んでいない」とした上で、管理者要件を設定する対象を「せめて『全ての公的医療機関』にしなければ効果はない」と指摘した。邉見公雄委員(全国自治体病院協議会)は「地域医療が崩壊してから偏在が止まった、という事態だけは避けてほしい」とし、外来医療に焦点を当てた偏在対策も検討すべきと主張した。
第2次中間とりまとめでは、新専門医制度に関して、国や都道府県が日本専門医機構に意見を述べることができる仕組みを創設するとした。これついて永井良三部会長(自治医大)は、プロフェッショナルオートノミーを基本とすべきとした大臣談話(2016年6月)との整合性を確認。厚労省医政局の武井貞治医事課長は、研修プログラムが著しく地域医療に影響する場合などに限り、要請等の形で国が関与する可能性があると答弁し、整合性は取れているとした。