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CDK4/6阻害薬の臨床試験のレビュー【CDKを制御することで,ホルモン療法抵抗性を解除できる可能性を持つ】

No.4892 (2018年01月27日発行) P.53

佐伯俊昭 (埼玉医科大学国際医療センター 包括的がんセンター乳腺腫瘍科教授)

登録日: 2018-01-26

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ホルモン受容体(HR)陽性乳癌の増殖は,細胞周期のG1期/S期を促進するサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6に依存しており,CDKを制御することはホルモン療法抵抗性を解除する可能性がある。パルボシクリブはCDK4/6の阻害薬であり,ホルモン療法と併用することによりHR陽性乳癌の増殖を抑制する。HR陽性/HER2陰性の閉経後進行再発乳癌で,前治療の内分泌療法後に再発または進行が認められたHR陽性/HER2陰性の進行・転移性乳癌を対象にホルモン剤をかえた試験が行われた1)

治療は,パルボシクリブ(125mg/日,経口投与×3週間→1週間休薬)+フルベストラント(標準治療で500mg投与)と,プラセボ+フルベストラントに2:1の割合でランダムに割り付けた。また,閉経前および周閉経期女性にゴセレリンを投与した人工閉経患者も登録された。主要評価項目は,治験責任医師の評価による無増悪生存期間(PFS)である。

今回195件のPFSイベント確認後,パルボシクリブ+フルベストラントの併用は,フルベストラント単剤より,ホルモン療法の前治療のあるHR陽性/HER2陰性進行乳癌のPFSを有意に改善した(HR=0.422,95%CI;0.318~0.560,P=0.000001)。grade 3以上の好中球減少は比較的多いが,全般の毒性は管理可能であった。

【文献】

1) Loibl S, et al:Oncologist. 2017;22(9):1028-38.

【解説】

佐伯俊昭 埼玉医科大学国際医療センター 包括的がんセンター乳腺腫瘍科教授

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