厚労省は25日の社会保障審議会医療保険部会で、オンライン資格確認等によって、医療機関・薬局の事務コストが約50億円解消できるとの試算を公表した。
オンライン資格確認は、マイナンバーカードのICチップを医療機関・薬局の窓口で読み取り、保険資格情報の有効性を即時確認する仕組み。2016年度に支払基金から資格過誤で返戻されたレセプトは147.6万件、事務コストは384.7億円に上る。オンライン資格確認により事務の大幅な効率化が期待されており、政府は2020年度中の本格運用開始を目指している。
厚労省の試算によると、オンライン資格確認の導入で解消される事務コスト(年間)は、医療機関・薬局分で約50億円、保険者分では約30億円、計約80億円。さらに、医療費通知を紙からウェブサービスに切り替えることで、保険者の事務コストを約4億円(最大約40億円)節減できるとしている。一方、支払基金・国保中央会で運用するシステムには年間約20億円のコストの発生が見込まれるとした。
オンライン資格確認は個人単位で行うため、システムの導入に合わせて20年4月以降、現行の世帯単位の健康保険証番号に個人を識別する2桁の番号を追加する。加入者本人が2桁の番号を申告できない場合、医療機関・薬局は世帯単位の番号でレセプト請求が可能。個人単位の番号によるレセプト請求は、21年4月診療分以降となる予定。