□疼痛への対策として鎮痛薬の使用が挙げられるが,非癌性疼痛と癌性疼痛では使い方が異なる。
□非癌性疼痛は,痛みの原因分類に基づいて鎮痛薬を使用する(表2)。また,使用する薬剤の種類や注意点についても理解しておく必要がある(表4)。
□癌性疼痛についてはWHO方式癌疼痛治療法(図2)を参考にする5)。入院加療が必要なほど疼痛が急性増悪した場合は,この5原則に縛られる必要はない。
□血液検査や画像検査はルーチンでは行うべきではない。
□主な関連痛(放散痛)に関する鑑別診断は表3にまとめた。
□心理社会的要素の強い痛みの場合,筋性疼痛や廃用による痛みの場合は鎮痛薬の効果が乏しい場合が多く,心理的サポート,生活習慣の改善,リハビリ的アプローチ,代替療法などを活用する。慢性的に疼痛が強い場合は多職種チームによるケアも試みる6)。
□救急外来でオピオイドを使用する場合は,呼吸抑制に注意する7)8)。換気困難・挿管困難の評価,適切な種類・投与量・投与間隔,呼吸回数,SpO2,終末呼気CO2濃度(end-tidal CO2:EtCO2),心電図,血圧などのモニタリングを行う。
□原因を探すことを忘れないようにする。
1) Lorenz KA, et al:J Am Board Fam Med. 2009; 22(3):291-8.
2) Gilron I, et al:Mayo Clin Proc. 2015;90(4):532-45.
3) Institute for Clinical Systems Improvement:Health Care Guideline:Assessment and Management of Chronic Pain. 6th ed. Updated November 2013.
[https://www.icsi.org/_asset/bw798b/ChronicPain.pdf]
4) Finnerup NB, et al:Lancet Neurol. 2015;14(2): 162-73.
5) 特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン作成委員会, 編:がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2014年版). 金原出版, 2014.
6) 関根龍一:レジデントノート. 2012;14(13):2450-60.
7) Godwin SA, et al:Ann Emerg Med. 2014;63(2): 247-58.
8) Miller MA, et al:Emerg Med Clin North Am. 2005; 23(2):551-72.
▶ 日本ペインクリニック学会:痛みの評価法.
[http://www.jspc.gr.jp/gakusai/gakusai_rank.html]
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