□特殊型胃炎として分類されるものは,メネトリエ病(Ménétrier disease),自己免疫性胃炎,好酸球性胃炎,クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患に合併する肉芽腫性胃炎などがある。ここではメネトリエ病と自己免疫性胃炎について扱う。
□メネトリエ病は胃粘膜上皮の過形成性により巨大皺壁を生じる疾患であり,蛋白漏出性胃腸症を伴うことが多い。成人発症例ではHelicobacter pylori感染との関連性,小児発症例ではサイトメガロウイルス(CMV)感染との関連性が疑われているが,感染陰性例の報告もあり病因は未確定である。
□蛋白漏出性胃腸症に伴う低蛋白血症の症状(浮腫,腹水,体重減少)以外に,心窩部痛,食欲低下などの非特異的な消化器症状を呈することがある。
□内視鏡検査もしくは消化管造影検査で胃巨大皺壁を認めることが必須である。
□病理組織検査では胃粘膜上皮の過形成と固有胃腺の萎縮を認めるが,悪性腫瘍の除外が重要である。
□成人発症例ではH. pylori感染の有無を確認することが望ましい。
□蛋白漏出性胃腸症を合併するため,血液検査にて低蛋白血症,低アルブミン血症,鉄欠乏性貧血などを認める。また,α1-アンチトリプシンクリアランス試験やRIを用いた蛋白漏出シンチなどの検査で胃からの蛋白漏出を確認する。
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