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クローン病

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-04-24
高津典孝 (田川市立病院消化器内科)
松井敏幸 (福岡大学筑紫病院臨床医学研究センター消化器内科教授)
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  • ■疾患メモ

    クローン病(Crohn's disease:CD)は,原因不明の消化管の炎症性疾患(inflammatory bowel disease:IBD)である。若年者に好発し,主として小腸,大腸,肛門を侵すが,全消化管に病変は起こりうる。

    腹痛,下痢などが主症状で,発熱や体重減少・栄養障害なども伴うことが多い。

    元来,わが国においては稀な疾患であったが,近年患者数が増加し,現在約4万人の患者が登録されている。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    様々な症状がある状態を活動期,症状が治まった状態を寛解期と分類するが,この活動期と寛解期を繰り返すことも特徴のひとつである。活動期には腹痛,下痢,体重減少,発熱などがよくみられる。時に腸閉塞,腸瘻孔(内瘻,外瘻),腸穿孔,大出血もきたす。また,腹部症状を欠き,肛門病変に伴う症状,不明熱,関節痛などで発症することもある。

    【検査所見】

    血液検査:慢性炎症を反映して炎症反応の上昇(CRPの上昇,赤沈亢進)や血小板増加,貧血などがみられる。また,炎症に伴う粘膜傷害により吸収不良や蛋白漏出が起こり,低栄養(血清総蛋白,アルブミン,総コレステロール値の低下)も認められる。

    画像検査:わが国のCD診断基準(表11)は消化管形態所見を主として成り立っており,臨床症状からCDを疑った場合には,内視鏡検査(下部消化管内視鏡検査,上部消化管内視鏡検査)および造影検査(小腸造影,注腸造影)が重要である。CDの主要所見として縦走潰瘍,敷石像があり,これらを認めかつ潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)や虚血性大腸炎など,他の疾患が否定できればCDと確定診断できる。また,主要所見が認められず不整形~類円形潰瘍またはアフタのみの病変であっても,病理学的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が証明されればCDと確定診断できる。

    05_36_クローン病

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