□腸軸捻転(volvulus)は腸管がその腸管膜を軸として回転して(捻じれて)発生する。
□高齢者,精神・神経疾患を持つ場合に多く,S状結腸の頻度が最も高い。
□突然の腹痛と腹満で発症し,その後排ガス・排便が停止してイレウス症状を呈する。捻転腸管が壊死に陥った場合には腹膜刺激症状や下血が認められる。
□腹部単純X線:重要な所見として,coffee bean signと呼ばれる拡張したS状結腸の逆U字型の陰影が特徴的である1)(図1)。
□注腸造影:捻転部においてバリウムの先細りの途絶(bird beak sign,corkscrew appearance)がみられる。
□大腸内視鏡:通常,肛門から20~30cmで捻転部に達し,粘膜の螺旋状の集中が認められる2)(図2)。送気しつつ捻転部を通過し口側に達すると大量の腸液とガスを認める。そこで出血や壊死などの所見があれば緊急手術の適応となる。
□腹部CT:拡張した結腸とS状結腸間膜の捻れに加え,free airや大量の腹水等が認められれば汎発性腹膜炎の所見である。
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